Censored Note

某市某病院の理学療法士ですが仕事のことは多分書かない。

忙しい人にこそおすすめしたい、第1話”が”面白いアニメ5選

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 アニメにおける第1話とは、言わばそのアニメの""である。

 
 コミュニケーションにおける第一印象の決定には、が重要が因子となるのは先行研究により明らかとなっている。

 西川らは第一印象の意識に関する調査・研究を行った。その調査結果は「感じが良い」という第一印象の決定には、その人の態度・振る舞いに比べ表情が重要であることを示している。*1

 また、”第一印象”と”その後印象には深い関連があるとされている。

 吉川らは、ネガティブな印象はポジティブな印象よりも覆しにくく、時間が経過しても持続しやすいことを実験により報告している。*2
 ポーランド出身の心理学者 ソロモン・アッシュは、1946年に行った実験により、初対面での最初の数秒間でのイメージ(「好きなタイプ」または「嫌いなタイプ」という第一印象)が、ずっと記憶に残され以降の印象に影響を及ぼすという心理効果が存在することを提唱した(初頭効果)。

 
 上記の研究結果を踏まえれば、ビジネス等の場面でまず第一印象を良くしろ(特に表情・髪型等)、と口を酸っぱくして言うのも納得できる。


 しかし上記の内容は、人間を対象とした実験による結果で提唱されたものであり、実際にアニメにおいて顔(第1話)が良ければその作品全体が"良作"として視聴者に認知されるか、はたまた第1話の出来が悪くて、以降”駄作”というネガティブな印象が固定されるかは定かではない。

 それでもアニメにおける第1話の重要性は高い。第一印象が良ければ視聴を継続したくなるし、インパクトの強い第1話は記憶に長く残る。第1話が良いアニメはそれだけで強いのだ。

 もちろん制作サイドも第1話には時間や予算、あるいは人員を割いて作るだろう。シナリオライターである虚淵玄氏は、アニメ脚本家である黒田洋介氏から次のようなノウハウを教わったという。*3

「1話でインパクトを与えて途方に暮れさせ、2話では(作品の)世界観とストーリーの方向性を説明する。そして3話では、それまでに説明したこと以外のことも起こり得るというサプライズを起こす」

 

 制作側は1話を注力して制作する理由の1つとして、そのアニメを"継続して視聴して欲しい"という思いが有ると考える。作品を最後まで視聴し、特定の話数でなくそのアニメ自体を包括的に楽しんでもらう。行く行くはそのコンテンツ自体を好きになってもらう。というのが理想であろう。

 一方で、第1話が注力して制作されているならば、(野暮では有るがそのアニメを全体ではなくエピソード毎に評価した際に第1話が最も質が高く、面白いエピソードとなるのも1つの道理である(必ずしもそうではないが)。


 つまりアニメの第1話の視聴は、唯漠然とアニメを見ることに比べ質の体験になる可能性が高い。特にアニメを見たいけどじっくり視聴する時間がない人にとってはうってつけであると考えられる。


 前置きが長くなったが、上記の点より面白いアニメの第1話の知見を広めることは意義深いと考え、本記事では筆者が今まで見てきたアニメの中から、第1話が優れていると感じたアニメを5つ紹介することにした。(あくまで今まで見てきたアニメなので、筆者の好みや性癖が明らかに母集団に影響を及ぼしている点に注意されたし
 尚、今回第1話””面白いアニメ5選という含みの有るタイトルにしたが、視聴する人によっては第1話”から”面白いアニメ5選、または第1話”のみ”面白いアニメ5選、はたまた第1話”ですら面白くないアニメ5選となり得ることを追記しておく。

 

 



1. 甲鉄城のカバネリ

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 2016年4月より6月にフジテレビ「ノイタミナ」枠にて放送され作品。
 監督は進撃の巨人荒木哲郎、音楽に機動戦士ガンダムUC進撃の巨人等の澤野弘之、その他スタッフも業界で名を馳せた錚々たる面々である。制作は進撃の巨人等を手がけたWIT STUDIO

 時代劇×スチームパンク×ゾンビ。第1話は世界観の説明、主人公・生駒を取り巻く環境の説明、そして日常の崩壊から主人公の覚醒までを描いている。 

 生駒はゾンビ(カバネ)化する原因が祟であると世の中で認知される中、主人公は「カバネは頸動脈が太くなるから血液が身体を巡って頭に至る事で何か悪さをしてるのではないか」といった発想に至る頭のキレる少年であが、一方で一度志した真念は絶対に曲げない熱いハートを持った男である。

 序盤では生駒の抑圧された環境を描き、終盤では生駒が”ある誓い”を貫き通すために覚醒するという流れだが、その流れが力強く引き込まれる。そこに生駒役・畠中祐の泥臭くとも胸に響く演技や澤野節が加わる事で、強烈なカタルシスを視聴者に与えてくる。視聴後は「これはとんでもねぇ作品が来たな・・・」となること必至である。*4

 この作品、二期も決定しているため1話を視聴して気に入った人は是非続きも視聴すると良いだろう。少なくとも中盤までは間違いなく面白いし、全体を通してみても筆者の中では「面白かった」、と言えるアニメだ。

 脚本良し、作画良し、音楽良し、キャラクター良しで出発した本作だが、1話以降何故か失速してしまい終わりには人々の記憶から消えてしまうのはもはやノイタミナの宿命か。

 

2. ビビッドレッド・オペレーション

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 止まらない気持ちが、私の道標。2013年1月から3月に放送。A-1 Pictures制作。監督・高村 和宏が満を持して送り出した少女たちの友情を描く尻アニメである。
 先行視聴会や放送当初は*5美麗な背景美術恵まれたキャラデザ異様な尻への拘り等で一部の層で期待されたものの、放送が終了した現在はガバガバ脚本KOTY大賞受賞*6等の負の印象が強い作品である。

 しかし放送当初は話題になっただけあると言うべきか、1話の完成度は素晴らしい。終盤、主人公・一色あかねが友達を助けるために勇気を振り絞るシーンはまさにビビッドである。
 1話から既に脚本のガバガバ具合が散見されるシーンはあるものの、そんな事はどうでもいい。唯この一色あかねという少女の生き生きとした様を心で感じ、起こり得る事象すべてに肯定の目線で視聴すれば良いのだ。

 もし1話を気に入り、全話視聴という荒行に臨むのならば上記した肯定の目線で視聴するというスタイルは習得必至だ。

3. 琴浦さん

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 えのきづ原作のweb四コマ「琴浦さん」、それを原作としたアニメである。2013年1月-3月に放送。監督は干物妹!うまるちゃんや、ガヴリールドロップアウト等の太田 雅彦。

 主人公・琴浦春香は無差別に人の心を読んでしまう能力故に、周囲の人間から気味悪がられ迫害される人生を送ってきた。
 第1話前半では琴浦さんの15年間の暗鬱とした人生を振り返るという重苦しい話が展開、中盤以降は同級生である真鍋義久との出会い、そして真鍋という友人にして理解者を得るまでを描いている。

 上記の流れがきっちり1話に納められており、正直に言って1話だけで一つの作品として完成されていると言っても過言ではない。加えてEDが神曲なのだ。これが強い。強すぎる。これにより20分弱の視聴にも関わらず映画一本を見終えたような喪失感を与えてくる。

 1話以降は基本的に琴浦さんとその周囲の面々による日常ストーリー(シリアス展開有り)が始まるので、1話を視聴して琴浦さんに萌えたり股間が熱くなったりした人は視聴すると良いだろう。

4. ソードアート・オンライン

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 2012年に放送され中高生の間で無数の「†キリト†」や「xoキリトox」を生み出した、言わずとしれた川原礫作のweb小説(後にライトノベルとして発刊)及びそれを原作としたアニメ。制作は全編通してA-1 Pictures
 
 ラノベやなろう原作アニメが普及し、所謂「俺TUEEEEE」系主人公というものがネタとして認知された今でこそ、何かとネタになりがちなSAOと言う作品と、主人公のキリトさんであるが、放送当初1話を見終えた後のワクワク感は半端なかったし、その後どんどんギャルゲー展開になった時は少しがっかりした。

 放送はもはや6年前であるが、今でも「オタク入門」として中高生の間では浸透しているし*7、実際なんだかんだ言って1話以降も面白い。マザーズ・ロザリオは思わず目頭が熱くなったし映画は2回見に行った。

 1話の内容に関しての説明は今更する必要も無いだろう。初見のワクワク感は言うまでも無く、SAOシリーズを全編、もしくはある程度見た人ならば、1話でキリトが走り出すシーンは感慨深いものがあるはずだ。

5.きんいろモザイク

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 2013年7月から9月まで放送。原悠衣原作の4コマ漫画、及びそれを原作としたアニメ。監督は後にごちうさを担当する田中 基樹(天衝)。
 まんがタイムきららからの刺客として放たれた本作品。例に漏れず基本的には少女達の百合百合しい日常が主軸となっているが、第1話は主要人物である大宮 忍とアリス・カータレットの出会い。そして言語の壁を乗り越えて絆を結ぶまでを描いている。

 二人の少女の距離感が縮まっていくのは見ていて微笑ましくなる。この1話だけはこの手にアニメに造詣の深い人で無くても面白く視聴できるのではないかと思えてくる。

 きらら枠をコンスタントに視聴している人は既に視聴済みの作品だとは思うが、もし未視聴の人やきらら枠に手を出した事のない人への入門として是非おすすめしたい。1話以降も精神の疲弊した現代人には染み渡る作品だ。


EXTREA: 落第騎士の英雄譚

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 5選からは外すが個人的に推しているアニメなのでやっぱり紹介したい(貪欲)

  落第騎士の英雄譚海空りくによるライトノベル。及びそれを原作にしたSIlVER LINK制作によるアニメーションである。監督はバカとテストと召喚獣大沼心

 落第騎士が名作であることは最早自明の理だが、1話の完成度は筆者の信仰心を抜きにしても高い。既存の石鹸枠の流れを忠実に踏襲しつつ、主人公とヒロインの純粋なライバル関係を築く流れは素晴らしい。

 落第騎士に関する思いの丈は過去記事にも述べたので、是非そちらも参照して頂きたい。

otakurogu.hatenablog.com

 

 

終わりに

 今回5つ+番外1つのアニメを紹介した。紹介作品は意図的に最近(ここ5年位)の作品に絞った。古いものだともう少しおすすめしたい作品もある(コヨーテラグタイムショーR.O.D等)。
 ネット上の配信サイトであれば、第1話のみ無料の提供形式も多いため、是非未視聴の人には1話だけでも視聴して頂きたい。濃密な時間を過ごせるはずだ。