Censored Note

某市某病院の理学療法士ですが仕事のことは多分書かない。

メカクシティリロード発売に寄せて -カゲロウプロジェクトを振り返る-

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「カゲロウプロジェクト」は、じん(自然の敵P)による楽曲群、およびそこから派生した小説、漫画、アニメ作品等の総称である。*1
 2011年に投稿された「人造エネミー」を皮切りに、およそ30曲に及ぶ楽曲が投稿。小説化、漫画化を始め、2014年にはTVアニメ。ティーンズを中心にカゲプロブームを巻き起こした・・・

 巻き起こしたのは当時の勢いを見ると確かなのだが、多くの期待を集め満を持して放たれたTVアニメメカクシティアクターズ初見は愚かある程度カゲプロに親しんだ人ですら置いてけぼりにするガバガバ脚本(これに関しては後述)によりネガティブなイメージを集めてしまった。
 アニメ終了後、小説・漫画は変わらずに刊行され、コンテンツとしてはまだまだ続いていたがアニメ終了を皮切りにブームが過ぎたと感じたのは筆者だけでは無いだろう。
 
 2016年には映画化されるも、同じ金額を払ってトイレに入っている方がマシ有識者に言わしめる程の完成度となっている。また、同年に「メカクシティリロード」なるTVアニメ第二期の制作決定が報じられたものの、以降このアニメ第二期に関する音沙汰は無い。

wasasula.hatenablog.com

 一方で2018年に入っても尚漫画は続いているし、「メカクシティトーカーズ」なるスピンオフストーリーが連載開始。全盛期の勢いではないものの、未だに根強い人気を誇るコンテンツであることは否定できないだろう。

 そんな中、先月カゲロウプロジェクトとしては3作目、約5年半ぶりとなるとなるアルバム「メカクシティリロード」のリリース決定の発表、そして今月に入り最新楽曲「アディショナルメモリーが投稿された。

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 久々の燃料投下により、良い年こいて”カゲプロは良いな”、と再認識したので、本記事では来るべき(本当に来るのか・・・?)アニメ第二期に向け、カゲロウプロジェクトを振り返りたいと思う。

 

 

TVアニメ「メカクシティアクターズ」に関しての概要

 カゲロウプロジェクトを語るに当たって、手始めとしてアニメ「メカクシティアクターズに関して知識を補いながら触れておこうと思う。

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 カゲロウプロジェクトのストーリーは、当初はじんにより投稿される楽曲で断片的にキャラクターの心情や物語が語られるのみであったが、小説、漫画、アニメ等のメディアミックスに伴い其々の媒体でより明確にストーリーが提示されるようになった。

 ややこしいのはこの「カゲロウプロジェクト」という作品は所謂「ループもの」であり、メディアミックスそれぞれの形態毎にストーリーが異なる点である。 つまり、アニメ「メカクシティアクターズ」は、じんにより投稿された「楽曲としてのカゲロウプロジェクト」のアニメ化では無い点に注意が必要だ。
 この前提知識が無いと「曲のPVとアニメの情景が違うねんけど」「漫画とアニメが全然話違うやんけ」といった混乱に陥り兼ねない。

 さて、アニメ「メカクシティアクターズ」では、かの魔法少女まどか☆マギカループする世界の最後の一周を切り取って描いている様に、このアニメでは全12話を通してカゲロウプロジェクトというループ世界における最終ルートが描かれている。
 それ以外のルート、「漫画ルート」、「小説ルート」、「楽曲ルート」はバッドエンドに突入する可能性が高く、特に楽曲ルートはじんによってバッドエンドを迎えることが示唆されている。
 *2

 

結局「メカクシティアクターズ」は面白いのか?

  世間的には賛否両論(好き嫌い以前に、意味が解らないという意見が大多数かもしれない)だが、あえて言い切ると面白い。但しカゲプロ知識が豊富な人で、かつ多少のご都合展開やガバガバ脚本に目を潰れる人ならば、である。それ以外の人にはまったくオススメ出来ない。勿論カゲプロ入門としてもオススメできない。
 
 既に楽曲等を始めとしたカゲプロ媒体に触れており、カゲプロというコンテンツに愛着が湧いていたり、推しキャラが居る人は、前述の通り多少の粗に目を瞑れば十分に楽しめる。シャフトが動かすメカクシ団の面々やその他キャラは可愛い&かっこいいし、既存のカゲプロ楽曲がゲストボーカルでカバーされているのもファンには最高に嬉しい。
 尚且ある意味ではカゲロウプロジェクトのエンディングを明示しているので、本当にカゲプロが好きな人は全話視聴すればそれなりに感慨深いものがあるだろう。

 円盤は1巻1話、全12巻という狂気のような販売方法だったが、毎巻カバー楽曲が収録されたCDが付いてくるので許せてしまう。アニメ本編に愛着が持てなくともフリスビー(アニメ本編)付きCDとして買っていた人も居るであろう。

  もうちょっと新規ファンがとっつきやすいように配慮したり、脚本が大味過ぎたり、作画が所々怪しいといった不満はある。が、カゲロウプロジェクトというコンテンツに彩りを加えるという意味では間違いなく成功の部類であったと思っている。

 

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 でもどう考えてもこの回はおかしいと思う。


 ちなみにこのメカクシティアクターズに関して、じんはこの様に振り返っている*3

─じんさんとしては、アニメが放映されていた時期(2014年)をどういう風に捉えているんでしょうか?

じん やっぱりカゲロウプロジェクトって、最初は自分が主導で始めたことです。誰にお金を出してもらってるわけでもなく、自分勝手にやってたことだったけど、それにいろんな人がリアクションしてくれた。レーベルや出版社の人も声をかけてくれた。で、ある時期に「そういう人たちの言うことを聞いた方がいいんだろうな」って思ったんです。大人は経験豊富だし、素人あがりのぺーぺーの僕なんかより正しいことを言うだろうって。でも、その通りにやっていたら、決して間違ってたわけじゃないんですけど、結果的には自分が望んだ形にならなかった
 

  やっぱり本人もしっくりきてなかった様子である。

 

カゲロウプロジェクトとは何だったのか

 カゲロウプロジェクトの複雑なストーリーや人間関係を紐解くと、ストーリーの中で断片的に場面毎のキャラクターの感情の表出や、ある現象が最終的にこうなった、等の結果の提示はされるが、肝心の「何故そうなったか」とか「何故それが出来たのか」等のプロセスの説明は避けられている傾向にあることに嫌でも気づく。これはストーリーの存在するコンテンツとしては致命的で、これが所謂「説明不足」「ガバガバ脚本」として顕在化されるため、傍から見ると中身のないスッカスカなクソカスコンテンツに見えてしまう。

 そもそもカゲプロに中身は無いのである。いや、正確には中身は有るがそれが語られないといった表現が正しいだろうか。
 カゲプロは元々楽曲の中で断片的に情報は提示するが、大半のストーリーやキャラクターの心情の考察・解釈は各人に委ねる。というスタイルを取っている。その結果pixivやニコニコ動画では独自解釈の小説や楽曲PVが流行ったし、それがカゲプロの人気に拍車を掛けた要因であることは間違いない。
 特にかのわんにゃんぷー作の「カゲロウデイズ」自己解釈PVはその極地といっても良いだろう。このPVが切っ掛けで氏はカゲロウプロジェクトに携わることになる。

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 そんなわけで、この項の初めに記述したプロセスの説明という欠かせない要素を、メディアミックスした際でも避けるのは理解出来る。


 楽曲を起点とした「漫画」「小説」「アニメ」は言ってしまえば公式二次創作というべきか、原作者制作の二次創作と言うべきか、数あるカゲプロ世界の中の可能性の1つに過ぎない。アニメは特に見る人それぞれで解釈や結果に至るプロセスの考察(或いは妄想)の余地を多く残している点で、楽曲版カゲプロの雰囲気を色濃く受け継いでいると言えるだろう。


 つまりお前のカゲプロはお前が作れ、ということである。幸い「ループもの」という何を妄想しようが許される土壌は整っているのだ。


 カゲロウプロジェクトを楽しむ上で必要なのは偏に「共感」という感情だ。ある意味で”ストーリー”という楔から開放されたキャラクターが放つむき出しの感情。それに少しでも共感出来たのであれば、このコンテンツを楽しめる可能性は高い。*4
 とりわけカゲロウプロジェクトの楽曲を聞いて、何か胸の高ぶりのような物を感じたのであれば、極めてこのコンテンツに対する適合性は高いと言えよう。


 自分の場合は人に比べ、この「共感」することが得意な自負が有る。「ロスタイムメモリー」は聴く度にシンタローとアヤノの別れの情景が目に浮かび胸が熱くなるし、新曲「アディショナルメモリー」を聴いた時は涙腺が緩くなった。今は車でアディショナルメモリーを聞きながら通勤している。良い年こいて。


 つまりカゲロウプロジェクトとは、細かいことはすっ飛ばしてキャラクターに感情移入したり、提示された情報外の部分を考察したり妄想したり、はたまた突拍子もないifの世界を妄想したりして、感動したり胸を熱くしたりするコンテンツである。
 視聴者各人がカゲプロを肯定し続ける限りカゲプロは存続するし、視聴者の数だけカゲプロのストーリーは存在するのだ。

 

おまけ:これからカゲロウプロジェクトに入りたいという変人に向けて

 まずは楽曲から入ることを強くおすすめする。
 楽曲版カゲプロのOPはチルドレンレコードなので、まずはそれを聴いてなんとなくエモい感じになると良いだろう。
 ストーリに触れていきたいならアウターサイエンスロスタイムメモリーを解説サイト等をなんとなく見ながら聴くと良い。
 カゲプロはストーリーの中核を担う楽曲もあれば、ほとんどキャラソンみたいな楽曲もあるので、ストーリーを理解していきたいなら闇雲に聴いて混乱しないように注意が必要だ。

 

  追記:色々抜きにして楽曲単体で聴いても良い曲が多い。個人的に「daze」「RED」は最高にかっこいい曲だと思う。そういう楽しみ方をしてもこのコンテンツは良い。

*1:

カゲロウプロジェクト (かげろうぷろじぇくと)とは【ピクシブ百科事典】

*2:但しカゲロウプロジェクトのにおける漫画ルート、小説ルート、アニメルート等の各ルートは共通の世界におけるあり得た可能性のルートではなく、それぞれ別個の世界としてループしている可能性もある。つまり、漫画ルートは漫画ルートで、小説ルートは小説ルートでいつかはハッピーエンドにたどり着く可能性が微粒子レベルで存在する。もしくはカゲロウプロジェクトにおけるループとは、一つの世界がはじめに戻るのではなく、パラレルワールドが無限に生み出される世界観なのかもしれない

*3:

『カゲプロ』作者じん ロングインタビュー 「大人を喜ばせてもしょうがない」 - KAI-YOU.net

*4:まどか☆マギカ」は。暁美ほむらに共感しやすい作りになっているが、カゲロウプロジェクトはその様な作りになっていないため、残念ながら「共感」するアンテナが低い人や、先入的に「カゲプロ」に嫌悪感を抱いている人はカゲプロを楽しめない可能性が高い。

【物資補給録】WIXOSS ユートピア開封結果

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  8月30日、ウィクロス最新弾であるユートピアが発売された。
内容としては既存ルリグ8種類の強化新規ルリグタイプとなる”夢限”の追加、その他汎用のキーやアーツ、コラボカードがちらほらとなる。

 

 

 

 自分がキーセレクション環境で(寧ろキーセレクション環境でしかやってない)現状使用しているルリグタイプがリメンバ、カーニバルの2種類のみであり、
 わざわざその2種類ルリグの新規カードをパックで当てに行くというのは些か阿呆な話だと思い、パックはスルーしてシングルで済ませようと思っていたのだが、いざ発売されると財布の紐が緩んでしまうのは、僕もやはり一人のカードゲーマーという事であろう。給料日を迎え懐が温まっていたのもそれを後押しした。

 そもそもウィクロス自体7割位カード収集目的でやってるところあるので*1、パック、買うわな。因みにウィクロスのパック開封の楽しさはカードゲームでは随一だと思っている。

 何より筆者の推しルリグであるリメンバもキーで収録されてる訳で、推しルリグのカードはなるべく自引きせにゃならんという謎の使命感もある。

 

 以下、開封結果

*1:筆者在住の市におけるウィクロスプレイヤーが絶滅寸前であることもそれを後押しする。

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落第騎士の英雄譚の視聴を義務教育に取り入れるべきである。

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 毎シーズンごとに多種多様なアニメが放映されている今日、皆様はどのようなアニメを見てお過ごしだろうか
 今から遡ること約3年前、2015年秋はワンパンマン終物語おそ松さんごちうさ2期といったアニメが放映されたシーズンである。
 また、上記の作品に加え一部の層*1でムーブメントを引き起こし、今なお一部の層で冷めぬ盛り上がりをみせている機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズが放映されたシーズンでもある。

 

 一方、クソラノベアニメ愛好家*2にとっても豊作のシーズンであったことは疑う余地は無いだろう。アスタリスク対魔導学園35試験小隊、ゲッツ、新妹魔王の契約者BURST等々....各々同じような方向を向いているものもあれば、明後日の方向を向いているものも有り、しかしながら各々ある種の芯を持って突き抜けていった素晴らしい作品であることは筆舌に尽くし難い。

 

 そんな強豪犇く2015年秋に、彗星の如く到来したアニメ、落第騎士の英雄譚について、その魅力・素晴らしさを、拙い文章ながら本記事では綴りたいと思う。
 尚、多少のネタバレを含む内容となるので未視聴で真剣に内容を楽しみたい方は注意されたし。

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